医療法人 厚生会

理事長あいさつ

理事長 三笠桂一

 約2年間苦しみ悩まされ続けた新型コロナウイルス感染症は新規感染者数が急激に減少し、昨年10月1日に全国的に緊急事態宣言が解除されて以来、混乱し我慢を重ねた日常生活や逼迫した医療体制、さらには政治・経済にも少しずつ日常が戻りつつあります。ワクチン接種や感染対策が普及し予防可能な疾患となり、特に重症化が予防できるようになり、また、新たな内服治療薬も発売され外来治療が可能となり、他の疾患と同じく早期発見・早期治療が可能となりました。感染症で亡くなる人が一人でも減らせる方法が見つかった今、「ゼロコロナ」あるいは「ウイズコロナ」の言葉に惑わされることなく、日常診療では、肺炎の鑑別診断の一つとしてコロナウイルスを念頭に入れ、適正な感染症診療と感染対策を淡々と行っていけばいいことになり、新型コロナウイルス感染症といえどもまもなくコモンな感染症の一つとなります。あとはこれを可能にする医療体制の構築が残された課題です。急激に感染者が減少した真の要因は不明ですが、そろそろこのウイルスの限界かもしれません。しかし、オミクロン株を始めまだまだ油断は禁物ですので今後も今まで通りの感染対策をお願いします。この間、多くの高齢者施設でクラスターが発生し、犠牲者が出たことは記憶に新しいことですが、当法人内では一度も院内感染事例を起こすことなく過ごすことができたことは特筆すべきことと思います。振り返ればハラハラ・ドキドキの二年間でしたが無事に過ごすことができました。これもひとえに職員の皆様のおかげだと心から感謝を申し上げます。 一方、奈良厚生会病院では職場環境と療養環境の改善を目指し、ひいては高齢者に対する医療と介護の充実を目指して行ってきました耐震・改修工事が順調に進み、管理棟や栄養科など一部の部門は既に完成し、また、新規に医療安全対策室と院内感染対策室を設け両者を更に充実させていきます。また、今後の感染対策として「前室付きの陰圧個室」も新たに設けました。全体では今年夏頃には完成する予定です。長年待ちに待った新しい奈良厚生会病院がいよいよ誕生します。今しばらく騒音や病床・物品の移動でいろいろと職員の皆様にはご迷惑をおかけしますがご理解とご協力をお願いいたします。完成した暁には皆様とともに手に手を取って喜びを分かち合うとともに、新たな決意で病院運営を行っていく所存です。 今年は、経営理念に掲げました「持続的な安定経営と発展」を実現するために、さらに法人一体となり、職員の皆様と力を合わせて新しい時代の多様なニーズに対応可能な法人に成長できる様に頑張って行きたいと思います。本年が「医療法人厚生会」の真の新たな船出の年です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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